ケロイド体質かも? 傷跡が赤く盛り上がる人が知っておきたい予防と治療のこと
ピアスの穴を開けた跡が赤く盛り上がった、帝王切開の傷跡がいつまでも痛痒い、ニキビ跡がしこりになって消えない——こんな経験はありませんか? もしかすると「ケロイド体質」かもしれません。
ケロイドは、傷の治癒過程で膠原(こうげん)繊維が過剰に産生され、傷跡が赤く盛り上がって硬くなる状態を指します。通常の傷跡は時間とともに白く平らに落ち着いていきますが、ケロイドは元の傷の範囲を超えて広がり続けることがあります。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違い
見た目が似ていて混同されがちですが、ケロイドと肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は異なるものです。肥厚性瘢痕は傷跡が盛り上がるものの、元の傷の範囲を超えて広がることはなく、時間とともに自然に改善する傾向があります。一方、ケロイドは傷の範囲を超えて周囲に広がり、自然に治まりにくいのが特徴です。
治療方針が異なるため、まずは形成外科で正確に診断してもらうことが大切です。
ケロイドができやすい場所
ケロイドは皮膚に常に張力(引っ張る力)がかかっている部位にできやすい傾向があります。胸の中央(前胸部)、肩、上腕の外側、背中の上部、下腹部(帝王切開の跡)、耳たぶ(ピアスの跡)などがとくにリスクの高い部位です。
逆に、まぶたや手のひらなどはケロイドになりにくい場所として知られています。
予防のためにできること
ケロイド体質の方が傷を作ってしまった場合、以下の予防策が有効です。
・傷跡にテープを貼って張力を軽減する(3〜6ヶ月間継続)
・紫外線を避ける(色素沈着とケロイドの悪化防止)
・傷を掻いたりこすったりしない
・ケロイドリスクの高い部位への不要な処置(ピアスなど)を避ける
治療法はひとつじゃない
ケロイドの治療は、症状の重さに応じていくつかの方法を組み合わせて行うのが一般的です。
軽度の場合はステロイドテープやステロイド注射で炎症を抑え、盛り上がりを平らにしていきます。内服薬としてトラニラスト(リザベン)が処方されることもあります。
中等度以上の場合は手術でケロイドを切除し、その後にステロイド注射や放射線治療(電子線照射)を組み合わせて再発を予防します。手術だけだと高い確率で再発するため、術後の追加治療がセットであることがポイントです。
いずれの治療も保険適用で受けられるものが多いので、費用面の負担は抑えられます。
まとめ
ケロイドは「体質」の要素が大きいため完全に防ぐのは難しいですが、適切な予防と早めの治療で悪化を防ぐことは十分可能です。傷跡が赤く盛り上がって気になっている方は、形成外科で一度相談してみてください。正しい診断と治療計画を立ててもらえるだけで、気持ちもだいぶ楽になりますよ。
コメント